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(2017-06-24更新)
医学部専門予備校(医専)など医学部を得意とする予備校は、都内の比較的有名なところだけでも30校以上。100校以上あるとも言われます。ネットで調べたり、雑誌で調べたり。でも、合格者数が何か変。どうやら計算の仕方にカラクリが。結局息子は納得できる数字を出している医専を候補にしました。
医学部専門予備校(医専)の選び方
人気予備校はすでに締め切り。次に考えた医専
河合塾の麹町校を申し込もうとしたときには、希望コースはすでに締め切った後でした。仕方がないので、そのままキャンセル待ちに。同時に、医専も候補として考えました。
医専のイメージは、授業料が高いということ。でも理由があります。
河合塾も個別指導を多く受ける場合、入塾金も入れて350万円。この場合、高価格帯の理由はプロによる個別指導にあります。時給の高い人に勉強を付きっ切りで教えてもらうという贅沢な環境。大手予備校でも追加指導として行っています。
医専の規模
さて、医専はどうでしょう。表示されている料金は、大体200万円程度から1000万円まで。
比較するにはあまりに幅がありすぎます。
学校全体としての規模
- レクサス教育センターのように100人以内の小規模のところ
- メルリックス学院のように200人~300人程度のところ
- メディカル ラボのように全国に18校合計すると1000人もいるところ
どうする?選択基準
選択の基準となるものはまず実績です。知りたいのは、入学した生徒の何割が実際に医学部に入ったのか?ということ。
比較するには合格実績がどうカウントされたものかを知る必要があります。
そのためには、
- 予備校に在籍している生徒の数
- 生徒が最終的に入学した大学はどこか?
- 各大学何人入学したか?
ところが、この数字を公開している予備校が少なくて困りました。
正確に数字を読む。小さい注意書きには要注意
予備校が出している合格者数を見るとき、気を付けることがあります。
- 複数校合格者の扱い
- 夏期講習、冬期講習など講習のみの受講者の扱い
この2つの数字の扱いにより、数字が全然違ったものになります。
複数校の合格をどうカウントするか?
通常、たとえ1人が受けたとしても、その1人が5校受かったら、合格者数5名というカウントになります。合格者数なので、各大学合格〇名となったら、単純に〇名を合計した数が、その予備校の合格者数になります。
講習のみの受講者の数を入れるか入れないか?
「本科生のみの数字で講習者の数は含まれていません」など、(注)に書かれている場合があります。なかったらなんとも言えません。
予備校側は、広告としてこの数字を利用します。一番目を引く数字を持ってきますので、それはそれで間違いではないというギリギリの線を出してきます。目を引きますが、欲しいのはその数字ではありません。
知りたいのは、
- 在籍していた生徒の何割が実際に医学部に入ったのか?
- 特待生以外の生徒も合格しているのか?
特待生として入れた生徒を磨いて、1人で10校受かって、合格者数10名という発表。そういう数字欲しいですか?予備校に入学している全生徒の数字が見えるものでなければ信用できません。
そのためには、実際の在籍数も知る必要があります。例えば、50名合格と発表し、在籍も50名というのと、在籍数が300名というのとでは全く違います。当然、本科生かどうかの確認も必要です。
そして残ったのはYMS・・・
YMSは、以前から医学部への最終入学者の数も発表していました。切り口は少し変更したりはしますが。しかも、合格率が高い!150名弱の在籍数に対して、合格が100名弱。
2浪に突入していますので、大学名にはもはやこだわっている場合ではありません。医者になるためには医学部に入らなければ。いっぱい合格したら選びます。でも、まずは受かってこそ。
(こだわらないからと言って、大学調べをしないのは問題ですよ。大学の特色は知っておかなければ。面接の基本です。)
YMSの選考に申し込む
河合塾にはどうやら席を確保できそうだとわかった段階でしたが、YMSのようなこじんまりした予備校もいいのではないかと思うようになりました。
どちらにするか、息子を見学にいかせました。結果はYMSの方がいいかなあ、と。
でもYMSには選考があるのです。
高卒本科生は、定員75名です。英語、数学、理科2科目の学科試験と面接(30分程度)があります。合格したら、その結果をもとに、HYPER、JK1、JK2、STの各クラスに分けられます。クラスは、その後のテスト結果により途中で変更される場合もあります。
受かるの?今の力で・・・。一抹の不安はありました。でも河合塾だって、基準を満たしているくらいだから大丈夫じゃないかなあ・・・。でも、大学の1次試験さえ、1回も通ったことない。でも・・・
それからは、YMSに合格するように猛勉強(?)。もし落ちてしまっても、もう1回チャンスはあるという段階で受けました。
YMSの選考通りました
ほっ。選考に通りました。
ここで、河合塾をお断りしました。この選考に通ったという事実は、息子に自信を付けてくれました。しかも思った以上の高得点。この瞬間に、やっと未来が見えてきた・・・と少し思ってしまいました。
理数科目で勝負できると初めて自覚
理数科目でも勝負できる、そう思えたのはこの時が初めてです。
国立大学医学部にこだわり、あれもこれもと手を出してしまったことで雲散霧消してしまっていた知識の数々が、自信という核ができたことで、くっつき始めた、そんな感じでした。
あーやっぱりそうなんだ、って思いました。私もそうでしたから。科目は真逆ですが、私も私立にすると決めたら、どこか脳がほっとして、自分でも脳が動き出すのがわかりました。この変化は劇的で、自分で自分の成績上昇にびっくりしてしまうというレベルです。
予備校の選考試験で息子に大変化
息子にも変化が起こっていました。変化のスタートは、予備校の選考試験から。それも私と同じ。
あんなにのん気な雰囲気を醸し出していたのに、本気で勉強しようという意気込みがこちらにも伝わってきました。
「結果を出すまで帰ってくるな」って言ってしまったし・・・。(この言葉、あとあとまで後悔しましたけど。)