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(2017-06-24更新)
医学部志願者と聞くと青白い顔で勉強ばかりしているような人のイメージがありますが、面接がある以上、少なくとも大学側は、医師としてバランスの取れた人を合格させようと考えているのは確かです。基準はわかりませんが、人として「変な人」は排除。面接でどうしても合格できない人も実際にいるからです。では、どうすればいい?
医学部を目指すなら勉強以外でも勝負 予備校に教えてもらったこと
医学部を目指すなら、ボランティア経験を
面接に有利とか、人として奉仕の精神は大切だとか多分そんな説明を受けたのでしょう。東京で生活し始めたばかりなのに、いきなり息子はやる気になりました。先生に連れて行ってもらったようです。
場所は、しぶやボランティアセンター。
まず、登録します。それから、ボランティアの紹介を受け、大丈夫なら活動開始。
息子にはいくつか得意なことがあります。その一つが水泳。子どものころイトマンでスタートしてから、10年ほどスイミングに通っていました。途中から別のスポーツが中心になっていきましたけど、今でもとても美しく泳ぎます。
間もなく、隔週の土曜日に、障がい者(子ども)のスイミング教室での補助をするようになりました。
「プールなら、自分で泳ぐこともできていいねえ。」と言ったら、補助はとても疲れることだから、自分が泳ぐなんて考えられない、と怒られてしまいました。いよいよ受験シーズンに突入し、時間を取ることが難しくなった12月まで続けました。
一緒にボランティアをやっていたのは、ほとんどが初老のおじさん方らしく、いろいろなことを教えていただいたようです。(若い人の話は全くでてきませんでした。いなかったのかな?)
面接で実際に役立ったとも思えませんが、ボランティア活動をやった、やれたという事実が息子を成長させたのは確かです。
読書は大切。一つのテーマは掘り下げておいたほうが良い
面接と言えば、典型的な質問は、
「最近何を読みましたか?」「今までで一番印象に残っている本は何ですか?」
医学部でなくても、面接対策として本を読んでおくというのは基本です。
もっとも、我が家には、本がたくさんあります。息子も読書は大好き。国語の成績も安定していました。それは、以前書いた通りです。
医療系の本も例外ではありません。医学部受験を考えだす前後から、少しずつ我が家には医療系の本が増えていたのです。
若月俊一先生の本
「若月俊一」という名前、聞いたことがありませんか?NHKテレビ「プロジェクトX 挑戦者たち 起死回生の突破口 医師たちは走った/医療革命 集団検診」で紹介された医師です。若月先生は、地域医療のメッカと言われるの長野県の佐久総合病院で長くお仕事をされていました。
2006年に亡くなっていますが、その後も、関連本が何冊も出版されています。本人が書いたものや評論など。佐久総合病院の先生方は、取材を受けることも多いので、テレビなどで、病院の名前くらいは耳にしたことがあるかもしれません。
ゆくゆくは地域医療と考えている息子のそばに置いておく本だと思い、引っ越しの際何冊か持たせました。
その後も何回かしっかりと読んだようです。
夏に佐久総合病院で行われる農村医学夏季大学にも自分で申し込んで(2日間受講料3000円)、話を聞きに行っていました。長野県の長寿の理由の話が印象に残ったようです。
この講座は一般の大人向け。医師、看護師もいたようですが、看護師の卵が目立っていたと言っていました。
こんなことを通して、息子は若月先生のことについて、ますます詳しくなっていきました。
そして・・・、本当に役立ったのです。面接で。
そんなこともあるんだ!面接で・・・
若月先生の著書はいつも近くに置いていました。受験が始まってからもそれは続き、そして、面接試験が始まりました。
そうです。2浪目にして、とうとう1次試験を通って、2次試験の面接まで行ける大学が出てきたのです。ただ、それで喜んでいる場合ではありません。まだ定員の4倍の受験生がいるのですから。
そのうちの1校で・・・
若月話で随分と盛り上がったとか。このおかげで楽しく和やかな面接で終わったのです。
きっと加点まで(そんなものがあるかはわかりません…)付いた、最高評価をもらったんじゃないかなあと勝手に想像しています。
いずれにしても、面接官との偶然の出会いによって合格したと息子も家族も思っています。
ちなみに、面接官は大勢います。その先生にあたる確率は、10分の1以下。
日頃の積み重ねが招いた運としか言いようがありません。