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4月に突入。転職活動を開始してから、2ヶ月が経とうとしていました。正式に失業してから1週間。相変わらず、転職活動をしていました。ふと目にしたバルミューダの寺尾社長の言葉で決心がつきました。「本当に欲しいもの一つに絞って、後は捨てたほうがいい」。心に響きました。
正式に「失業」。時間が経つのが遅い・・・
1日はとても短く感じるのに、全然日にちが進んでいきません。
家では、せっせと掃除をしています。(詳しい経緯はこちらへ)このころまで、「マイナビ転職」や「リクナビ転職」から情報を得、しかも「正社員」を探していたので、教室長の求人ばかりをみていました。結果論ですけど。
4月も初旬が過ぎようとしているころ、じわじわと違和感がひろがります。生理的なものに近い感覚です。かつて就職または転職するときには感じなかった感覚です。「教室長は、経営者?教育者?」に書いた通りです。
「生徒1人に30万円分売れますか?」
空気が変わった一言でした。経営。まさしくそれが経営です。売らずに事業を維持することはできません。
30万円とは、夏休み中にどれだけコマを売れるか、の目標値。
「もうすでに計画が始まっていますが、夏休みの講習に向けて、毎年毎年売り続けられますか?それが、私たちのご飯の元になるわけですよ。」
正直、この言葉には納得でした。そうだなあ・・・と。でも、夏休み中に生徒に30万円分は必要ないでしょ?という本音もあって、答えにつまりました。
もちろんこうした手法を取らない塾も
もちろん、手法の違いで、こうしたやり方ではない塾もあります。
経営者の考えに共感し、ここならと思えたところもありました。・・・ところが・・・、最後にどうしてもYESと言うことができず・・・。結局どこも決まりませんでした。
その最後の問題というのが勤務地の問題です。前職も含め、いつも勤務地が問題になります。両親のそばにいる必要があって、ワンコちゃんがいて、単身赴任先から夫が戻ってきたとき一緒にいるためにも、引っ越しの可能性のある仕事は実際のところ無理です。
首都圏で働く人は、長時間通勤頑張って通いますよね。地方は難しい・・・。終電は早いし、自動車通勤も1時間を超える場合は、最初はよくても途中から職場の近くに部屋を借りる人が多いです。冬は雪の関係もあり、遠ければ遠いほど通勤時間に誤差が生じます。
実際、前の職場でも何度も近くに借りたら?と言われました。
それにしても、正社員は転勤が当たり前。考えてみれば、夫もそうです。
教育とお金の問題、転勤の問題、私にとって違和感の根っこはこの二つに集約されつつありました。
経営をしたいのか、それとも授業をしたいのか?
こうしている間にも、リクルートもマイナビも、教育関連の求人募集が徐々に減っていきました。シーズン的に、新年度の前の募集が一番多いんですね。
さて、どうしよう・・・
まもなく、ヒントが落ちてきました。朝、メールをチェックしていて目に止まったのです。リクナビNEXTから送られてくる「プロ論」にバルミューダという文字・・・。
あ~、あの会社の社長だ。BALMUDA The Toasterのバルミューダです。
BALMUDA The Toasterご存知ですか?25,000円のトースターで、すばらしい焼き具合のトーストが食べられる(らしい)。家電は、自分が一番良いと思うものを買うと決めているので、今使っているトースターもその時なりにBESTなものを、それなりの値段を出して買ったものです。だから、25,000円という値段には驚きませんが、水を入れるというひと手間をかけて・・・それでも売れる。そんなに美味しいの?気になって仕方ありません。
今のトースターが壊れたら買おうと思っているのですが、まだ買っていません。(炊飯器と電気ケトルも欲しい・・・。)とにかくうれしくなって読みました。
バルミューダ株式会社寺尾玄代表取締役社長の言葉「欲しいもの一つに・・・」
いい仕事が見つからない、という人は、「一番大切にすべき価値観」がわかっていないんです。望みが多すぎるんですよ。迷う場合は大抵、複数のことを望んでいる。取捨選択ができていないんです。「かわいくて上質で安い靴が欲しい」とか、「かっこよくて安くて燃費が良くて大きな車が欲しい」とかね。そんなもの探したって見つからない。自分の希望を分解して、本当に欲しいもの一つに絞って、後は捨てたほうがいい。
ああ、そうか。私は欲張りなんだ。あれもほしいこれもほしいで、自分が本当は何をしたいか、転職活動をすればするほどよくわからなくなっていました。
自信も失っていきます。今までやってきたことが評価されないんだって。教育関係なんて言ってないで、全然関係ない分野にも目を向けるべきではないか、と。多分ハローワークに行っていたら、間違いなくそうアドバイスされたと思います。
でも、自分が欲しいもの、それだけは譲ってはいけない。その代わり、ほかの条件は捨てる。となったら、何に絞って、何を捨てるかをはっきりさせなければなりません。
いつもその何かを求めている
考えてみたら、経営者になりたいかどうかなんて、ずーと昔、自分に問いました。でも神様は、あなたには経営者より他の道の方がいいと判断したのでしょう。そちらの学部も受けたのですが、教育学部にも合格させてもらいました。その瞬間、やっぱ教育学部だなあと思えて教育学部を選んだのです。
とはいえ、東京に出てきて、大学時代から二十代半ばまで、時代はまさしくバブル。働き始めた頃はピークです。あの異常なまでの活気。普通に東京で就職活動をし、民間企業に就職しました。
出産で退職し、子育て。主婦生活は楽しいものでした。でも、私の中で何かが動き出してしまったのです。田舎に戻ると宣言し、そこで仕事も得て、気が付いたらそれから十数年。仕事については、まちがいなく充実していました。やりたいことは全部やらせてもらったという思いがあります。でも、様々な条件が重なって、転職する決心。
ん?また何かが私の中で動き出してしまった・・・?(いつも感覚で動いて、後から「そうだったのか~」と自分で納得する感じなので、その時はよくわかっていないことが多いのです。)
自分にとってその一つとは
今、私がしたいこと、譲れないことはなんだろうと改めて自分に問いかけました。
「一つに絞るとはべきことは何か?これができなくなったら私ではない、と思えるほどのことは何か?」
意外と簡単な答えでした。「国語を教えること」。
かつて主婦をやめてなぜ仕事を再開したのか。「国語を教えよう!」それが理由でした。お金のこととか、仕事の環境とか今は大切なことではない。初心に戻って考え直しました。