中学生の恋愛事情 性教育は必要です。「14歳の母」は哀しい・・・

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
妊娠

この記事は5分で読むことができます。

「どこまでご存じ!? お子さまのバレンタイン&恋愛状況」を紹介しましたが(中学生の恋愛事情)、その中で

  • お子さまの男女交際について、ご家庭でどのようなことにルールを設けていますか? あてはまるものをすべて選んでください。
  1. 門限           77.8%
  2. 体の関係         49.6%
  3. 携帯・メールなどの通信  39.1% (対象者は全員。多い回答のうち上から3つ抜粋)

  • お子さまの男女交際や恋愛を、応援したいと思いますか?    はい 74.9%(対象者は全員)

とありました。親としては応援したい、でも、学生らしいお付き合いをしてほしいという願いを感じます。

中学生のお付き合い まれに大人の「お付き合い」になってしまう場合もある

一緒に帰ったり、電話したり、メールしたり、まれに映画もというのが中学生の「お付き合い」ということらしい・・・それは、ほとんどのカップルに当てはまります。

でも、だから心配しなくてもいい・・・とは、思えません。

アンケート結果にもあります。「体の関係」については、親と話し合っていると。とても大切なことです。

体は大人になっている中学生、この辺りは、彼や彼女がいると分かった段階で、きちんと話しておかなければならないことです。

そして、法律のことも知っておくべきでしょう。結婚するという意思がない場合、18歳未満の性行為は「青少年県健全育成条例」に抵触します。

「14歳の母」覚えていますか?

2006年の日本テレビのドラマ「14歳の母」。中学生の妊娠出産を扱ったドラマとして有名です。

私立の中高一貫校に通う、中学2年生一ノ瀬未希(志田未来)と別の学校に通う中学3年生桐野智志(三浦春馬)が、塾で知り合い、話をするうちに・・・何となくそういう関係になり(ここまでの展開が早い!)、思いがけずというより無自覚妊娠。そして出産へ。

学校で性教育をしてくれているから、家庭では・・・という親御さんもいるでしょう。

確かに性教育は効果的です。データでも確認されています。

手法も工夫されていて、例えば、病院から医師や助産師を派遣してもらうこともあります。日頃から赤ちゃんの出産に立ち会う助産師。出産の話はリアルで感動的です。普通の方の出産シーンを動画で見せてもらうこともあります。生徒にも好評です。一方で、悲しい結末を迎えることもある。そうならないためにはどうするか。男の子と女の子の体の違い、心の違い、お互いをよく知り、理解しあうことが大切だということを学びます。

でも、学校ばかりに任せてはいけない。思春期はとにかく衝動的。ふとした衝動から踏みとどまるきっかけは、いろいろあったほうがいいのです。親がきちんと言ったことは、内心きちんと受け止めている場合が多いのです。

実際の数字  15歳未満の妊娠の行く末

「赤とんぼ」の時代

夕焼 小焼の 赤とんぼ 負われて見たのは いつの日か
山の畑の 桑の実を 小籠(こかご)に つんだは まぼろし
十五で 姐(ねえ)やは 嫁にゆき お里の たよりも たえはてた
夕やけ 小やけの 赤とんぼ とまっているよ 竿の先

ご存知、童謡「赤とんぼ」です。作詞は三木露風。明治22年生まれの人です。小さいころの思い出を詩にしたらしいのですが、ここで、「ねえやは15で嫁にゆき」という歌詞が出てきます。

明治31年に明治民法で、結婚年齢を男満17年、女満15年としていて、それまではそういう規定がなかったことを考えると、若くしての結婚は、当時、数は少なくてもそれなりにあったことが予想されます。

実は、この時代は、私の祖父母の時代と重なります。本家のおばあさんは、嫁に来た時、まだ毬をついて遊んでいた、と話していたのを思い出します。

とはいえ、明治31年ですでに、満15歳以上という法律があるのです。大人の判断として、それ以上なら、母体的にも社会的にもなんとか子どもを産んでやっていけるということなのでしょう。

中学生が妊娠してしまったら

全ての女性は、妊娠したら、出産するか中絶するかという選択を行います。残念なことではありますが、全員が妊娠を喜び出産するわけではないのです。単純なことではありません。数字を見ても、よくわかります。

厚生労働省の統計です。

母の年齢別にみた年次別出生数・百分率及び出生率(女性人口千対)(厚生労働省 平成27年度人口動態統計)

  • 平成27年  15歳未満 39件 ※50件程度で推移しているのですが、4年前から減少傾向

人工妊娠中絶件数及び実施率の年次推移(厚生労働省平成27年度衛生行政報告例の概況 母体保護関係)

  • 平成27年度 15歳未満270件 15歳633件

これが現実です。出産も27年は39件ですが、大体50件くらいあります。出産した場合も、中学生は結婚できません。法律で想定していない事態です。

この数字を少ないと見るか、多いと見るか。すくなくとも、「14歳の母」は、あちらこちらに存在するというのは確かです。

幸せな結婚、幸せな家庭、幸せな妊娠。カップルにはいろいろな形があるとは思いますが、やっぱりオーソドックスな形に憧れます。早すぎる妊娠は、全部一気に吹っ飛ばす形です。

人生経験もない子が、これからずっとそうした過去を背負い、そしてもし出産という形で、子育てもしていかなければならないとなったら、困難はどれほどのものだろうと想像するだけで切ないです。

◁ この話の前へ     この話の続き ▷

中学生の親が知っておいた方が良いこと 恋愛編まとめ記事▷

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。