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自分が思っていることを好きなように書けたらな・・・ って思いますよね?いざ書こうとすると、なんか文が変、自分の思いが文にならない。大体原因は文のねじれ。簡単に言うと、主語述語が合っていない。そして、理論的に言っていることが前と後ろで違う。「テスト対策」だとしても、それで良い文が書けるようになるなら、積極的に学習したい!
「書く力」はある方がお得?
もっと上手に書けたらと思うもの、思ったものは?
例を挙げてみましょう。意外と多い・・・
- 夏休みの読書感想文
- 授業課題の小論文
- 目上の人へのお礼の手紙
- PTAや保護者会の通知
- 地域の会報への寄稿
- ラブレター
でも、良い思い出は?
文が下手くそすぎて、笑われた・・・。ラブレター書いてみたけど、全然だめ。結局渡さなかったなあ・・・。良い思い出はなかなかありません。たまたま賞をもらったとか、いつも作文で高得点をもらっていたとか、ごく限られた人は別でしょうが。
でも、だからと言って、「書く力」なんか付けなくたっていい、って思えますか?
論文を書くというレベルではなくても、社会人としての手紙やメール、子どもがいる人は保護者会で通知を出すなど、思いのほか作文を書く機会は、多いのです。
「書く力」はあったほうがいい!
「書く力」というのは、正しい文を書く力というわけではありません。
ラブレターを例に考えてみましょう。
まず、相手のことを思い出す。ピアノが上手な人だから、ショパンのことをまず話題に入れて、コンサートに誘おうか。または、明るい人だから、はきはきとした表現の文にしようか。など、何日も何日も考えるはずです。今なら、メールかもしれませんが、仮に、メールだとしても、文を練るという点で、思考過程はそう大きくは変わらないでしょう。
つまり、「書く」ということで、ものすごく頭を使っているわけです。
これが、もし、何パターンか例文があって、そこから選ぶだけでもうできあがり、というものだったらどうでしょう。時間も頭の使い方も十分の一で済みますね。でも、人としてそれでいいのかというと・・・
大学入学共通テスト。記述式問題例発表
さて、最近話題になっている大学入学共通テスト。記述式問題のモデル問題例が発表されました。話題はなんと言っても120字で書く記述式の問題です。
当然、題材文はきっちり読まなければできません。これで「読む力」も必要になるわけですが、今回のこの問題は、まず、情報を理解し、根拠のある分析をし、論理的に文章を書くことが求められています。
「大学入学共通テスト(仮称)」記述式問題のモデル問題例 平成29年5月 独立行政法人 大学入試センター
確かに「思考力、判断力、表現力」が必要な問題になっていると思いますが、いかがでしょうか?
やっぱり記述式の問題でなければ
さて、あなたは、マークシート方式と記述式の問題、どちらがこの3つの力を評価するのにふさわしいと思いますか?もっと簡単に言うと、答えを出す際、どちらが頭を使うでしょうか?
間違いなく記述式ですね。答えがその中に確実にある国語の選択問題と全くの白紙で自分で文字を埋めなければならないのとでは、プレッシャーも違いますし、思考方法も違います。
しかも、今回の問題を見てはっきりとわかったことがあります。これは、小学校、中学校、そして高校と続いてきた国語学習の総集編だということを。
「大学入学共通テスト(仮称)」「国語」問題は小学校・中学校・高校の学習の総集編
高校の「国語」だけの話ではありません。中学校でも小学校でも、答えは根拠に基くよう指導しています。小さいころから、根拠をもとに解答を書く、または論理的に文章を表現する練習を、繰り返し繰り返ししてきているはずです。
もちろん、小学校の時は、難しい表現は使いません。けれども、答えを導きだしたとき、必ず先生に聞かれたはずです。
「なぜ?」
それで、だんだんわかるってくるわけです。根拠は、文章の中にあること、文章に書いてないこと、または、文章から判断できないことを、自分勝手に言ってはいけないということ。それでは、仲間に通じて行かないということを。
それでも不安はありますよね?世の中の動きどうなるでしょう
とは言え、120字の解答にどの位のパターンを予想して、どう採点するのか。これからの課題ですね。意見を集約して練っていくと考えられますが、受験生がこの120字に対応するため、どれほど「書く力」を付けて行こうとするでしょうか。ぜひ、その意欲が増すような、出題と正答例を考えていただきたいと思います。
高校入試では、この字数程度の要求は、当たり前なのに?でも、真剣にとらえた人が勝ち!
さて、この動きに合わせてか、高等学校の選抜試験では、最近教科を問わず、文で答えるものが多くなってきました。字数も100字前後。そろそろ全教科で文を書くという対策が必要な時代に突入です。
でも、今のところ特別な対策をする人は、ごくわずか。
要約したり考えをまとめたりということは、中学校の授業で普通にやっていることだからです。新たに対策をしなければ・・・と思わない人も多いのです。
これは、チャンスです。