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中学の勉強ができていないのに、高校、それどころか大学へ入学する生徒がいます。特に「書く力」が不足しています。力を付けた人を選抜したいということで、大学入学共通テスト(仮称)が始まります。批判が多いのも事実ですが実施は決定です。2020年に向け、「書く」対策をしましょう。今からなら間に合います。
現在の高校生の問題点!大問題です!勉強できない人(やらない人?)が多すぎです
Benesse 教育総合研究所「高大接続に関する調査(2013年)」の結果
まず、この調査は一体何なのかということですよね?
「高大接続」というのは、高校・大学の接続ということです。ベネッセのこの調査の中に、驚く結果があります。(詳しくは、文科省でまとめたものを、ページ下〈参考〉に掲載)
高校の校長先生に大学進学予定の3年生について、学力の状況を質問しました。
この調査、対象者に「勉強は嫌いだから進学するのは嫌だ。就職したい!」という人は含めていません。
4年生大学に進学予定の3年生です!
なんと、3校に1校の校長先生は、「わが校の生徒の半分以上は、中学校の学習もまだ十分理解していない」と答えたのです。
そして、実際に入学した大学の先生に聞いたら、やっぱり同じ。別の立場の人たちが、それぞれ答えているのにほぼ同じ結果。これは信ぴょう性があります。
文部科学省も驚いた
さて、この結果で、改めてまずい!と思ったのは、文部科学省です。
そうでなくても、ゆとり世代だとか、入試の形が増えていて勉強しなくても大学に入れてしまう(大学全入時代)とか、様々な困った状況が出てきています。
それなのに、「サマーウォーズ」という映画もはやり、将棋や囲碁の政界でも、もはや人工知能が勝利を収めるような時代。世の中は、変化しようとしているのに、人の能力は停滞したままでは困ってしまいます。
一体どうしたらこういうことになってしまったのか?
文科省は考えました。高校生が優秀でない理由は大学入試にある。入試を変えるぞ!
そんなに低学力の生徒が、大人になったら、日本は大変なことになる!
データを分析すると、小中学校の子どもたちの学力は優秀ということがわかっています。15歳の学力は間違いなく国際的に見ても高い。では、なぜその子たちが高校生になると優秀ではなくなってしまうのでしょうか?
どうやら、高等学校では、小学校や中学校では成功しつつある学力の3要素を踏まえた指導が行き渡っていないのではないか?
なぜか?
今の大学入試は、
- 暗記をすれば合格できる(評価される)
- AO入試、推薦入試では学力が問われない。
こんな入試を続けていたのでは、そういう入試に合わせた学習をするようになり、未来に必要とされる力が付かないまま大人になってしまう。
まずい!
こうして、高校、大学、大学入学者選抜の一体改革を進めることになりました。
書く力が停滞する理由は、SNSにも
でも、大学入試の形式だけが、学力低下の原因ではないですよね?
この原因、高校生のお父さんお母さんならすぐ思い当たりますよね?一緒に生活していたら、いえ、1時間一緒にいただけでもわかります。
何か?
LINEなど、ありとあらゆるSNSの利用です。ほとんど文になっていないものが、ひっきりなしに行き交っています。高校生の様子を見ていると、どう考えても行き過ぎかた。それに伴って、本を読む機会が激減する!これが学力に影響しないわけがありません。
実は、1993年生まれより前の人と話すと、共通して「私たちは良かったけど・・・」と言うことがあります。LINEのことです。小中学校の時は、LINEがなかったからとても気楽に過ごせたと。実際、LINEは中学生くらいだと難しい部分が多いです。
学力とSNS・・・・難しい。
だから自己防衛するしかない
高校生は、中学生に比べて、自由度が全然違います。高校も当然対策を考えています。けれども、自分の意識を変えて、「書く」力をどう自分で磨いていくかを本気で考えないと、手遅れになります。
簡単に付く力ではありません。
〈参考〉
Benesse 教育総合研究所「高大接続に関する調査(2013年)」によ れば、高等学校長に4年制大学に進学予定の3年生の学力・学習の状況について聞いたところ、「文章を 書く基本的なスキルが身に付いていない生徒」、「義務教育(中学校)までで身に付けるべき教科・科目 の知識・理解が不足している生徒」が「半分以上」と回答した校長の割合は、それぞれ37.1%、32. 3%にのぼっている。
また、同じく大学の学科長を対象とした調査において、入学者の学力・学習の状況について聞いたとこ ろ、「文章を書く基本的なスキルが身に付いていない学生」、「義務教育(中学校)までで身に付けるべ き教科・科目の知識・理解が不足している学生」が「半分以上」と回答した学科長の割合は、それぞれ3 7.2%、32.3%となっている。さらに、
「大学で学ぶ目的がはっきりしていない学生」が「半分以 上」と回答した割合も28.0%にのぼっている。
文部科学省高大接続システム改革会議「最終報告」(平成28年3月31日)より一部抜粋