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農業の規模を縮小しなければ、田んぼも畑も荒れるばかり。じいさんばあさんだけでやっていける広さにしようとしています。そのための植林。ヒノキの苗を植え付けていきます。
根気があれば植えるのは簡単―ああでもないこうでもないと言いながら
今回購入したのは、ヒノキの苗木100本。森林組合に注文したものです。

ヒノキの苗木
最初に、均等に穴を掘ります。深さ30cmほどでしょうか。

深さ30cmの穴
最初から、ばあさんが、じいさんのやり方を見て、山の方じゃ(ここよりもっと山のほうのこと)そんなやり方をしていない。それじゃうまくいかないとアドバイス(文句?)を言っています。じいさんは、一旦は言われたとおりにしましたが、「全然うまくいかない、これでいいんだ」と言い張って、また同じやり方を。だからこれが良いのかよくわからないのですが、でも、普通のやり方だと思います。
以前植林したところの端から植えていきます。
間隔は、私の歩幅で軽く4歩程度。じいさんが、自分の歩幅で測って、と言うので、すでに植林してあるところのの間隔を測ったらそのくらいだったので、今回もそうしました。いずれにしても、将来はどんどん間引くので今は近くて良いそうです。

100穴
せっせと測って、軽く掘って。ばあさんがさらに掘り進めて、さらにじいさんが、適切だと思うところまでしっかり掘って、の繰り返し。
とうとう100穴!
じいさんばあさんには、長い時間同じことを繰り返すということについて、苦痛だという感覚が無いようです。基準は、暗くなるまで働く、それだけ。その間はとにかく何をしようととにかく動くので、それが同じことの繰り返しであれ、違うことであれ、苦にならない・・・まねできない・・・
そして、水をたっぷりと入れていきます。畑には、水道は来ていません。タンクに入っている水(沢の水をためるか、家の水を運んでくる)を、エンジンを使ってホースからの散水です。散水用(消毒用)のエンジンを持ってないときついですね。じょうろでは何百回往復するのだろう・・・
そして、土をかぶせて。ここは、もともと畑でとても良い土になっているので、これで大丈夫です。
じいさんばあさんが丁寧に土をかぶせていきます。
じいさんは、元気に見えますが、実は杖なしではほとんど歩けません。長い距離は、それも無理で車いす移動ですが、ここは起伏があるのでそれもできず・・・。ばあさんも似たようなものです。二人でゆっくりゆっくり足を運ぶような状態なのですが、畑でどうしても働きたいらしい・・・
でも根気があるので、少し誰かが手を貸せば、時間をかけてなんでもできてしまいます。
数日後は、こんな感じ。
ちなみにリンゴの木を切った切り株へは、キノコ菌を植え付けました。
わらを巻き付けているので、なんだかわかりにくいですよね。石は単純にわらが風で飛んでいかないように重しにしているだけです。
心配なので、数日ごとに見回りをしていますが、今のところ大丈夫。
鳥獣害対策が課題
大丈夫、という確認は、何のためかというと、実はシカに食べられてしまってはいないかというチェックです。
今や農業は鳥獣との戦いです。りんごの実は、シカや鳥、そして昆虫に狙われます。シカは、葉っぱや木自体も食べてしまいます。
一昨年より前までは、電流の流れる線を張り巡らすという対策をとり、定期点検もして、まれに破られたときは、すぐ対応もしていました。昨年は、父が動けなくなっていたこともあり、電柵の対策が十分にはできませんでした。この辺りでは、補助金を受けることはできますが、個人でこうした電気柵を張り巡らします。
市町村によっては、その地域全体で、強力な電柵を設置する場合もありますが、それは熊が出る場合ですね。とても立派なもので、人間も電柵が続く途中から柵越えすることはまずできないと思います。高さも3メートルとか結構ありますし。ところが、熊もどんどん利口になり、上が無理なら下ということで、電柵の下を掘る熊も出現。しっかりとカメラにその様子が映し出されていたそうです(それを見た友人の話)。そういうところに住む人は、案外今日庭で見た、とか平気で言います。でも、山続きの日本。どこに熊がいてもおかしくないですね。熊に出会ったらどうするか、以前国語の教科書にも教材として取り上げられていました。
ところで、昨年の我が家の場合。とにかく放っておいた電気柵が無効化していて大変なことに!シカの首が届く範囲の葉っぱが全部食べられてしまいました。その部分全部!!木という木全部!!畑に言ったら、なんか視界が開けているわけです。なんか変!と思ったら、葉っぱがないからなんですね。
急きょ、つっかえ棒をして、枝を全部持ち上げました。それで残った枝はなんとか実も付け、無事りんごを食べることができました。。
でも、りんごだけではなかった・・・被害は。昨年から木を切り倒していて、範囲を狭めてはいたのですが、その範囲の外にあった、忘れ去られたようなまだ幼かったりんごの木や柿の木が集中砲火を受け、木のまわりの皮まで食べられてしまいました。
実は、今もよく見ると畑の中のあちこちにシカのフン。この写真今回撮った写真です。

こちらは本物
奈良公園で見た方も多いと思います。「鹿のふん」というお菓子もあり、もしかしたら親しみのある形かもしれません。奈良公園のシカ、動物園のシカ、あのくりくりおめめはとてもかわいい。でも、あの裸にむかれた木を見ると、切なくなります。
ということで、シカの大好物(?)のヒノキが狙われないかチェックしていたのです。頭がかじられていないか。
今回は、とりあえず未だに無事です。山に食べ物があるのでしょうか?